政府は3日、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(改正空家対策特措法)を閣議決定しました。
空き家の増加が続き、今後はさらに増加が見込まれる。周囲に悪影響を及ぼす特定空家の除却等をさらに促進することに加え、空き家等の有効活用や適切な管理の確保を通じて空き家対策を総合的に強化する。
法律案では、(1)所有者の責務強化、(2)空き家等の活用拡大、(3)空き家等の管理の確保、(4)特定空家等の除却等について改正。
(1)では、現行の「適切な管理」に対する努力義務に加えて、「国・自治体の施策に協力する」努力義務を追加した。(2)については、市区町村に「空家等活用促進地域」の指定権限を持たせ、同地域の指定や空家等活用促進指針を定めた場合、接道規制や用途規制を合理化することができるようにする。市区町村長は、区域内の空家等所有者らに対して、指針に沿った活用を要請することができる。さらに空き家等の管理・活用に取り組むNPOや社団法人などの団体を「空家等管理活用支援法人」に指定できるようにする。
(3)では、現状では周囲に悪影響を与えるとは言えなくても、「放置すれば特定空家等になる恐れがある空き家」を「管理不全空家等」として指導・勧告する権限を市区町村長に付与。勧告を受けた空き家の敷地は固定資産税の住宅用地特例が解除される。(4)に関しては、市区町村長に特定空家等に対する報告徴収権(資料の提出等を求める権利)を付与。特定空家等に対する緊急代執行制度を創設したほか、所有者不明時の略式代執行・緊急代執行の費用徴収について確定判決がなくても可能にするなど円滑化した。