(株)東京カンテイは4日、三大都市圏の中古(既存)マンション相場価格に関する調査レポート(2023年上半期)を発表した。
同調査では、価格変動に大きく影響する「築年数」と「立地」について一定の条件を設定することで、対象物件の均質化を図り、相場価格(坪単価)として算出している。調査対象は、「築10年±5年」「最寄駅から徒歩15分以内」「既存流通事例数が3件以上もしくは総戸数の2%以上(小規模物件に対する措置)」の条件を満たしているもの。既存流通事例の価格には独自のロジックで“4階・中住戸・南向き”に補正したものを用いている。
首都圏の相場価格は331万2,000円(前期比4.2%上昇)と、21期連続で上昇したが、その度合いは22年から鈍化傾向にある。エリア別では、東京都は384万7,000円(同3.0%上昇)、神奈川県は250万1,000円(3.9%上昇)と、同様の動きを見せた。また、前期に2桁の大幅プラスとなった千葉県も199万3,000円(同6.1%上昇)と、上昇率が縮小に転じた。一方、埼玉県は212万6,000円(同6.7%上昇)で、前期をやや上回る上昇率を示し、21年以降は6%以上で推移している。
近畿圏は217万8,000円(同3.8%上昇)と、5期連続で3%以上の上昇率となった。京都府は279万4,000万円(同5.8%上昇)と上昇度合いが強まったものの、大阪府は213万2,000万円(同3.2%上昇)、兵庫県は205万5,000円(同3.1%上昇)と、3%台まで鈍化してきた。他3県では、滋賀県や奈良県で引き続き上昇率が拡大したのに対し、前期に2桁上昇を示していた和歌山県は、その反動でわずかながら9期ぶりのマイナスに。大阪市は235万4,000円(2.8%上昇)と、22期連続で上昇した。
中部圏は166万7,000円(同4.7%上昇)と、21期連続で上昇した。22年上半期に上昇率が一旦縮小していたものの、その後は再び拡大するなど強い動きが戻ってきている。各県を見ると、愛知県(170万6,000円、同4.0%上昇)や三重県(128万1,000円、同4.3%上昇)で上昇度合いが強まり、岐阜県は126万9,000円(同10.2%上昇)と、3期ぶりのプラスに。一方、静岡県は164万2,000円(同5.8%上昇)と、3期連続でプラスを示すも上昇率自体は縮小傾向。名古屋市は189万2,000円、同2.5%上昇で、5期連続で上昇した。